R.H.の手記

同僚Yの右の乳首を三時間しゃぶり続けた後、ボードレールのダンディズムを会得する為に新宿西口へ向かう。貧民達を一人残らず殴り倒し、ありったけの 小銭を力任せに投げつける。貧民達の身体にめり込んだ小銭はまるでカラータイマーのように赤く染まり、彼らの残り3分の命をむなしく表示している。西口 広場は碾き臼から出る塩のように彼らから吹き出してくる末期の大便、小便、鼻水、汗、精液、淡汁、ふけ、あか、慌てて引っ越しを始める蚤や虱、垂れ流し の走馬灯であふれ出す。まさに人口庭園。そうこうしているうちに(In the mean time)、彼らから流れ出たそれらのものは一つ処に集まり、魔神「ゴーレム」が誕生する。やんちゃな広場の新生児は、さっそく逃げ惑うOL達を一人ひ とりぶん殴っては犯しはじめる。目鼻の区別もつかないほど顔面が拉げて(ひしゃげて)しまい、丁寧にすべての四肢を反対側に折られて身動きのとれない哀 れな雌豚どもから溢れ出た末期の大便、小便、鼻水、汗、精液、淡汁、ふけ、あか、慌てて引っ越しを始める蚤や虱、垂れ流しの走馬灯は、再び新たなメシア を産み落とす。アイデンティティ・クライシスに直面したサンダとガイラは己の存在をかけて、容赦なく相手を殴り倒し身体を削り取り、ほとんどあらゆる建 物に風穴を開けんばかりの格闘を始める。果てしなく続く彼らの戦いを見ていた私は、不意に訳のわからない悲しみの念に襲われる。発熱のあまり内部から溶 け出し、ついに爆発して消え去る寸前に彼らがこちらを見て「パパ」と言ったかどうか、もう覚えていない。貧民達と雌豚どもが一掃されてしまった他は全く 以前と変わるところの無い退屈な風景が流れ出す。思わぬところで神話生成に居合わせてしまった私は、流れる涙をぬ ぐおうともせずにフジテレビへ向かい、 服部主演で「銭形平次」を再開することを放送局長に進言し、その後まっすぐ帰宅。