1977-06-01から1ヶ月間の記事一覧

R.H.の手記

業者を呼んで風呂の真ん中に敷居を作らせた。片方に牛乳を、もう一方に墨汁を入れ、交互に入浴。速度をあげるほど、祈りは永遠に。

R.H.の手記

荷物が届く。蓋をあけると鼻が入っていた。顔を包帯でまいた女性の写真が同封されており、「あなたのにおいはきつすぎる」とのメッセージ。オリーブオイルにひたして全身にこすりつけた後、鏡にむかって叩きつける。

R.H.の手記

わたしの屋敷はひとりで住むには少々大きすぎるようだ。腐臭がするので普段使用していない部屋の扉を開けてみると、鎖につながれた死体を発見した。制限時間内に鼠をかみ殺せるか、というゲームに負けた奴隷に罰を与えるため、アンティークの甲冑を着せたま…

R.H.の手記

Eが奴隷の分際で私の蔵書を読み散らかしていたので、罰として歯を全部抜いてやることにした。もちろん麻酔は用いなかったので少々手こずったがなかなかよい出来。出血が止まらぬ 口に欲情、早速しゃぶらせてみる。歯が無いというだけでここまで快感が増幅さ…

R.H.の手記

毛髪以外の体毛を剃毛。ゆっくりと静かに。自身を服部化するための儀式。自己疎外の修辞学?

R.H.の手記

東京都青少年保護条例に反対するデモに、古書コレクターの友人Dとともに参加。解散後、Dとバーへ。大正期のセクソロジーについてひとしきり論を交わす。最近いい本を手に入れたというので、Dの自宅へ席をうつす。

R.H.の手記

いくつか古書を見ながらのみなおし。途中、暖めたブランデーに蜂蜜とバターを浮かべたものを所望。Dが台所にバターを取りに行った隙に、欲しかった『東西男女造化機論』を鞄に放り込む。常々、豚に真珠だと感じていたので罪悪感はまったくない。ものがある…

R.H.の手記

知り合いの編集者TからTEL。取材で借りたルノー・クリオ・スポーツV6が、今日までレンタルで、取材は終わったので、これからドライブしないかとのこと。落ち合ってTと食事。泥酔させた上にダメ押しでウォッカを静脈注射。キーを拝借。少しころがす。…

R.H.の手記

最近、知り合った某S社社員に頼んでいた品を受け取りに、品川へ。そのまま、新宿KのYにそれを渡しに行く。犬畜生のロボットごときでYの驚異的な太ももを味わえるとは、甚だ不可解なご時世。ホテルで剥いだら、貧相な胸で興ざめ。男と女が一つのベッドの…

R.H.の手記

明け方、犬語で喋る悪魔の幻聴で目を覚ます。ディレッタントへの有益な対処の仕方について。飲みすぎか?

R.H.の手記

闇ペットショップで購入したニホンザルの全身の毛を剃り落とし、 ボディペイングを施した私の裸身を見せつける。瀬戸際の美ほど美しい。

R.H.の手記

イルカの鳴き声を聞きに行く。戯れに高圧電流を流してみると10匹中5匹が死んでしまった。何事もフィフティフィフティということか。生き残りにはバッハを聞かせてあげる。

R.H.の手記

取材でダライ・ラマにインタビュー。良質の水たばこをいただく。生き仏さまはありがたいなぁ。

R.H.の手記

朝から編集会議。私以外の編集者のあまりの無能ぶりにあきれる。 仕事が出来ないだけならまだよいが、クラシック音楽演奏家の間 で昨今持ち上がっているアーティキュレーションに関する議論について自分の意見を持っているものが皆無だという事実に呆れ果 て…

R.H.の手記

においが身体から落ちない。

R.H.の手記

内蔵を傷つけると価値が減るので頭を狙わなければならない。野蛮で原始的な狩りとは全く異なる、文化人のための知的遊戯。スリルと投資が同居している点も素晴らしい。

R.H.の手記

瀬戸内寂聴『生きることば』読了。インスピレーションを受けてピアノソナタを完成。わたしのすべての音楽作品が『服部全仕事〜作曲編』に収まりきるかどうか、不安になる。夕刻より陸軍曹長R氏の誘いで、自衛隊練習場にて少年狩り。今日から二泊 三日。

R.H.の手記

チェコの高名なピアニストY氏が来日。中野ブロードウェイを案内 し、名曲喫茶「クラシック」でくつろいだ後、西新宿のレコ屋めぐり。ステレオラブファーストジャケ印刷ミス盤(激レア)等購入。 Y氏がヤクザに因縁を付けられたため鉄パイプを持参、ヤクザ…

R.H.の手記

指揮者のN氏と会食。小誌次回特集「知られざる名オーボエ奏者」 について、意見を聞く。 氏の封建的なオーケストラ観には不満があるが、「弦楽器は女体であり、管楽器は男根である」とするその楽器哲学はなかなか興味深い。さすれば、オーケストラとは、弦…

R.H.の手記

女優Sのバースデイ・パーティー。彼女の自宅にて。小誌の人気連載「思い出のLP」にご登場いただいてからのつきあい。クラシックにも造詣が深く、その人気にもかかわらず控えめで、感じの良い女性だが、ものを食べる時クチャ クチャ音をたてる癖がある。心…

R.H.の手記

監督している野球チームの試合。4番バッターは「死番」 だと気付く。

R.H.の手記

編集部アルバイトY美とランチ?金管楽器はやはりロシアだ、という話題で意気投合。大変チャーミングな女性。「服部さんって私の胸、ずっとみてません?」との問いに、好感を持つ。生きた言葉。トイレのタンクが自然発火。

R.H.の手記

注文していたビデオが届く。小さな男の子が保母さんの扮装をした父親に折檻されている場面 を撮影したものだ 。多彩な拷問用具が用意されており、きわめて裕福な家庭であることが見て取れる。このような残虐な行為が平然と行われているという事実に強い怒り…

R.H.の手記

某国立大で助手をしているIに会う。真面目すぎて面白味にかける男だが、信頼できる友人だ。アンティーク家具店をいくつかまわり、寿司を食した後、多摩川へ。土手に座り、空を眺める。人はどこから来て、どこへ行くのか。沈んでいく夕日は私たちにそ んなこ…

R.H.の手記

某政党より参院選立候補の要請。気持ちは嬉しいが、断る。確かに芸術と政治は常に表裏一体の関係にある。だが、私の仕事は実際に政治に携わることではない。音楽雑誌の編集者である私にとっては、芸術を読み解き、知識を体系付けることが政治そのものなのだ…

R.H.の手記

コンビニで安物のワインを買い、公衆電話に叩きつけて割る。

モデルのHとオペラ観賞後、板橋のイタリア料理店へ。北朝鮮のクラシック事情について話していると突然水をかけられ、驚く私 を後にHは先に帰ってしまった。しばし呆然とするが、デザート を二人分食べられたのはラッキー。どうせ金を払うのは私なのだ。

R.H.の手記

Tから電話。いつも通り宗教の勧誘。ルックスは私好みのいい女なのに、毎回箱船の話をされていたのではかなわない。始めて会った時性欲に負け、「唯一にして至高の存在である神は双頭の豚の姿をとった女神である」とする彼女の宗教に興味があると言ってしま…

R.H.の手記

低俗タレントHのマンションでパーティー。スチュワーデスと名乗る女が5人いるが実際はホステスか、風俗嬢だろう。酒を注ぐ手つきでカタギの女でないことがわかる。最近結婚した野球選手のM来ている。Hと私のもくろみはもちろん派手な乱交パーティーであ…

R.H.の手記

R.H. プロフィール 1977年生まれ。5才より指揮を始め、85年から90年までスイスを中心に遊学。多くの芸術家に影響を与える。仏高等師範学校で「はつらつすぎてごめんなさい」開講。2年間教鞭をとった後、アカデミーフランセ−ズの会員に推薦されるも辞退、渡…