1977-01-01から1年間の記事一覧

R.H.の手記

真夜中に、ある古墳の内部を訪ねた。その古墳の名は伏せさせて欲しいのだが、ある高貴な人物が眠っているとされている古墳だ。ここに埋葬されている人物は天皇家の血筋につながるものらしいが、今日彼の名前は歴史書のどのページにも残っていない。時の天皇…

R.H.の手記

乾布摩擦をしていたら血がたぎってきたので庭の巨石を持ち上げると裏に父親の顔をした芋虫がびっしりと張り付いていた。こちらに気づいた芋虫は口をそろえて「お兄さん!!」と合唱した。私がいぶかしんでいると、父親の顔をした弟であるところの芋虫は一斉…

R.H.の手記

歌舞伎町で風俗を視察。厳密に吟味する。腕にカッターナイフの跡が一〇本以上ない女は選ばないことにしている。家に帰らずさっきまで店の控え室で寝ていたという寝ぼけまなこの女をベッドに横たえる。素肌が見えなくなるほどたくさんの切り傷に覆われた腕を…

R.H.の手記

屋敷の階段に水を流し、うなぎを放流する。手でつかむのではなく、足で踏み付けて動きを止めるのがポイントだ。つかまえたうなぎは自分でさばくのがプロというもの。包丁でひらくと、中から一本のひもがでてくる。うなぎの養殖は、卵からかえすのではない。…

R.H.の手記

服部新聞で世界の趨勢を決める七人に毎年必ずノミネートされている私は、当然のことながら少なからずの暗殺者に命を狙われている。しかし心配ご無用。雲の中に飼っている悪魔「さとる」が暗殺者を始末してくれる。さとるは雲の中からいつもしたの様子を窺っ…

R.H.の手記

マトリョーシカのなかから入れた覚えのない小指がでてくる? どの奴隷の?

R.H.の手記

隠れ家にしている水車小屋へ。ここには粉を挽く老夫婦が住んでいる。もし川の流れが逆流して、水車が反対に回り出したら、どうなるのだい? へぇ、だんなさま、そんなことをしたら死者がよみがえってしまいますだ。水車に老夫婦をくくりつけ、下流に備え付け…

R.H.の手記

ペリカンの足につかまって、アラスカへ。白クマめがけて廃棄処分の冷蔵庫を投下。見事ヒット。死肉と成り下がった白クマを後目に、凍てついた大地めがけて朗々と私の歌うハットリアリアを響かせる。佳境に差し掛かった頃、地面がわれ、なかからペンギンの赤…

R.H.の手記

今、私はロシアへと向かう船に乗っている。深夜になると、鎖を命綱にした潜水夫たちが、甲板から水面へとおりていく。私は黒パンと、ウォトカを飲みながら、それを船室から眺めていた。ふと、天上から光が差す。白い服を着た母子が、階段を駆け降り、水面を…

R.H.の手記

休日なので奴隷達とゲームに興じる。今日の競技はもちろん「リアル大貧民」。2チームに分かれ、街からさらってきた浮浪者達にトランプの刺青をしたのち殺し合いをさせるという極めてシンプルなゲーム。しかし連れてくる奴隷達も必至である。なにしろ、彼らが…

R.H.の手記

山狩りのボランティア。湧き水を飲んでいると、マクベス夫人の亡霊があらわれる。一点を見つめ、口をパクパクさせている。木の枝で足下を払うと、ピーッという高い音をたてて消えてしまった。もしやと思い、視線の方角に向かってみると、マツタケの密生地帯…

R.H.の手記

深夜、顔の拓本を採取するため老人ホームに侵入する。スヤスヤと寝息をたてるおばあさん、悪夢にうなされているのだろうか、眠ったまま断末魔の悲鳴をあげるおじいさん、死の淵をさまようご隠居さん。わたしは病院の床に硯をおき、墨をする。水に黒が溶けて…

R.H.の手記

また映画を見る。小人が逃げ惑う物語と白人やくざが戦争する映画、潜水艦が放射能にまみれる映画。これらの作品は戦闘をテーマにしているように見えるが、この三つの作品でテーマとなっているのは「永遠」だ。永遠という時間に照らして見ると、大規模な種族…

R.H.の手記

一日かけて廊下の床板を全部はぎ取り、奴隷達の履き物を全部かくす。靴を探して集合におくれた奴隷に罰として縄跳びを長い間させたのち、いちばん嫌いなものを相手に逆さ肩車失禁プレイ。

R.H.の手記

バイブレーターを尻に差し込んで山手通りを渋谷まで歩く。この通りは何でこ んなに工事ばっかりしているのだろうか。杜撰な都市計画について憂いている と、中野坂上の辺りでトレーラーにはねられてしまった。しりもちをついた途端 にバイブが口から飛び出て…

R.H.の手記

僕らが老人になった世界はどういう物になっているだろうか。あまりよい世界 ではあるまい。老人たちにとっても若者にとっても。保障が覆い被さって身動き の出来ない少数の若者と、文字通 り身動きできない大量の老人。当然若者は老人 に不満を持つだろう。…

R.H.の手記

翻訳の仕事に追われる。編集者の無神経な態度にいらだち、訳文からハ行を抜いたうえ、玄米とザ・飴で糊付けし容易には開けないようにして送る。百年かけて解読するがいい。

R.H.の手記

警官隊に追われるが、道ばたの首無し死体のふりをしてやり過ごす。ドブの神様が現れ、普段の行いに関してこってりしぼられる。

R.H.の手記

雨が降り止まない。久々の野外乱交パーティー(雨天中止)が台なしになりそ う。軒にもう3人ばかりてるてる坊主をつるしたのだが、一向に効き目がない。 と、その内の一人が激しく身もだえし始め、様子を見に駆け寄った110番(ひゃ くとうばん)がシーツを剥…

R.H.の手記

新宿区の一日署長に任命される。たすきをかけるだけだと思っていたら婦警の 格好をさせられた。スカートが一日署長のアイデンティティと知る。パトロール 中、ヤンキー風の二人乗りを見かける。金属バットを二本振りまわし、道路にた たきつけながら走ってお…

R.H.の手記

私の半生が3Dシューティングゲームになってプレステ2に登場。全部で108ステージ。次から次へと襲い来る自戒の念を、もちまえのきっぷのよさと開き直りで打ち落とす。各ステージは世界各地の死生観がモチーフになっており、輪廻転生、最後の審判、永遠の孤…

R.H.の手記

時間旅行に成功した私が三日後からやってくる。秘密を聞き出そうと高価なワインを振る舞うものの、効果 なし。思わず撲殺してしまったので、この話そのものがなかったことに。

R.H.の手記

キュウリとナスに割り箸の足をつけたものを大量に作成。丸ビルの屋上にならべてSOSの文字をつくる。

R.H.の手記

燃えるゴミの袋に、私をかたどった塩ビ製フィギュアの試作品を入れておいたところを大家さんにみつかり、こっぴどく叱られる。さすがの私もちょっとめげてしまった。こんな時はせんせいとおはなししよう。

R.H.の手記

売り出し中のアイドルMを「ぴあ」の取材と偽って呼び出す。どうせつくなら嘘は美しいほうがよい。第一ホテル東京ベイのスウィートを借り切り、ニセインタビュー。継母のおそろしい虐待に堪え忍んだ少女時代、池袋でスカウトされた日のこと、そしてはじめて…

R.H.の手記

地下にある研究所へ。昨今どこぞの胡散臭い新興宗教団体がクローンに成功との欺瞞を振りまいているようだが、笑止千万だ。私は数年前、とある科学者がヤフーオークションにクローン技術を出品しているのを偶然発見。即ウォッチリストに追加し、誰もが様子を…

R.H.の手記

再び映画を見る。「愛のなんとか」とかいう題の映画だった気がする。ロリに も熟女にも飽きてしまったAV監督はかつて一回やったことのある「大人の女」を 求めて放浪する。しかし「大人」とは何か。AV監督の定義では大人とは「仕事と セックスの区別がつく人…

R.H.の手記

ベスト「愛は絞り取るものジーンズはかぶりものと思っている男」受賞予定者 にノミネートされる。

R.H.の手記

靴下の履き方を忘れてしまった。

R.H.の手記

私がゴーストライターをしている無能な作家のYが自殺。戯れに著者紹介の欄に「趣味:夜の公園で若者狩り。フットワークの軽さには自信がある。レイプ し終わった後、気絶した少年の股間にスタンガンを当てる瞬間に比べたら、仕事明けのビールなど一月前の小…