顛末

出発直前、大友さんと朝食をとり、ギャラリーの事務所で手続きをして、ちょっとコーヒーでも飲んで出発しましょうという時、なんとなく飛行機のeチケットを確認したところ、いまがまさにリュブリャナ空港からの出発時刻だということに気がつき、意識を失いかけた。こんなときはつい無駄な行動をしてしまうもので、変わるはずのないチケットを何度も何度も見つめたり、意味もなくうろうろしたり、階段を上り下りしたりしてしまったが、もはやどうしようもなく、企画のみなさんにすがったところ、ギャラリーのサンドラさんがいろいろ調べてくれて、最初は月曜日の便に振り替えられると教えてくれたのだが、さすがにそれだと問題があるので、さらなる可能性をさぐるべく、まずオーストリア航空へ。やたらテンションの高いスタッフの紳士に、おまえさんはこれから永遠にリュブリャナに居続けるのだ!とさんざん笑いものにされたが、ここではちょっとらちがあかなそうだったので、それから結局旅行代理店にいって交渉の末、一日遅れの便で帰国することが可能になった。ほんとにお世話になってしまった。ありがとうございます。ようやく帰路を確保しての帰り道、散歩にでた大友さんと道でばったり。なんともお恥ずかしいばかりでした。こうなった以上はもう狼狽していてもしょうがないので、リュブリャナの予期せぬ超過ステイを楽しむしかあるまい。サンドラさんに教えてもらった、ちょっとわかりにくい場所にあるレストランへ、大友さんと二人で昼食をとりに。着いてみて気付いたが、何年か前、マッティンと二人でバスに乗り遅れ、結局山奥のフェスまで車で送ってもらう羽目になった事件の直前までいたまさにそのレストランであった。大友さんと、デブゴン、キョンシー実相寺昭雄といった重要なことがらについてじっくりと話し合うことができ、よかった。帰り際、こないだも買い物したレコード屋へ。よくみたらなぜかジョセフ・スペンスのアナログがあり、まよわず購入。スロヴェニアブラックメタルはないかと聞いてみたところ、ブラックはないがハードコアっぽいのならあるとすすめてもらって、試聴したらなかなかよかったのでとりあえず購入。あと、お店の人に、日本のレコードを持っているがバンド名がわからないので教えてくれないかといわれ確認すると、かぐや姫だった。アルファベットで「KAGUYA-HIME」とサインする大友良英、というとてもめずらしいものを目撃した。そのあとルカと合流してコーヒー屋へ。トゥープが坂本九のスキヤキをかけていたのだが、聴衆の一人がそれのユーゴスラビア版カバーのシングルを持っていたらしい。あとで聞かせてもらったが、これはなかなかの珍品である。それからしばらくして、こないだもいった馬肉の店へ夕食に。今回は鹿をいただきました。とんだドジを踏んでしまったが、大友さんとゆっくりはなせたのはよかったです。で、帰って荷造りして仮眠。
朝早くの便なので、5時過ぎの乗り合いタクシーに。ものすごい暴走運転で死の恐怖をかんじた。パリ経由でなんとか帰国。かえる目ライブも無事遂行。いろいろな方にご心配とご迷惑をおかけしてしまいまして、ほんとうに申し訳ありませんでした。

さて、いまから数時間後にはラドゥが到着します。
ヴァンデルヴァイザー特集は今週末です!
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