the knight

HOSEとpopoは、すばらしかったなぁ…。グダグダな飲み会と即興演奏は、両立するどころかほとんど同義であるということをはからずも証明したが、その証明はほかの場所ではまったく生かされない。

Jarrod Fowlerとの遠距離同時デュオを冬至にあわせて録音。双方の至点を中心にやることにしたので、昼間と夜に外で一時間ずつ。夜は雨が降っててかなりたいへんだった。が、むこうは両方とも録音に失敗し、無音が一時間続くテイクが二つ残されていたらしい…バカヤロー!プロジェクトは白紙に戻った。

かえる目、サードアルバムのマスターがたぶん完成した。録音終わった後は、ぜんぶ同じような曲ばっかりだし地味すぎてダメだ…とも項垂れていたのだが、できてみると、これは前二作とは比較にならないほどすごい作品だ!と思ってしまった。現金なものである。今回はなんだかブリティッシュなかんじがします。

金沢21世紀美術館に、フィッシュリ&ヴァイス展をみにいった。パンダとネズミのやつがすばらしい。展示では字幕のみだったが、雪山に行くやつと、刑事物みたいなやつ、映画としてみてみたいな。金沢はよい街だった。ハントンライス、うっかりエビハントンを頼んでしまったが、普通のハントンには白身魚とエビが両方のっていたようなので、そっちにすればよかった。しかし、ハントンってなんなんだろう…?

ジーン・ウルフ”The Knight”を読了。途中さぼっていたのでだいぶ時間がかかってしまったが、これまた超おもしろかった。タイトル通り、中世騎士物語的ではあるのだが、もちろんウルフなのでさにあらず。まず主人公はアメリカ在住の普通の少年だったが、キャンプの最中に突然異世界に転移。ここは7つの世界から成り立っているらしいが、それぞれの世界で時間の流れ方が違う。少年はエルフの導きで突然大人になってしまうのだが、どうやら別の世界で年月を過ごし、その間の記憶が消されている、ようなかんじ。学んだはずのないエルフ文字が読めてしまう。世界と世界の繋がり方、世界の見方が突然変わり、異界が思いがけずあらわれ消えてしまうこのかんじがまさしくウルフ節。めくるめいた。しかし、元の世界にいるはずの弟に宛てられた手紙という形式がとられているこの書物、そもそもなぜこれを書いているのか、この異世界とこの世界の関わりはいったいどうなっているのか、さっぱりわからないまま終わってしまったので、まったく息をつく間を無く下巻の”The Wizard”を読まざるを得なそうである。冒頭だけ読んでみたけれど、こちらは同じく主人公の一人称ではあるが、自分の経験したことではなく伝聞が主となっているそうで、この語り手をどこまで信じていいのかわからない度合いはさらに増しそう。さらに、上巻に時々、「後にこのことを長い間忘れることになった…」というような記述が多々あり、まぁとくにかくたいへんな読書経験が得られそうである。