R.H.の手記

夜明けの空を眺めていたら、私の荘厳な心持ちに魅かれて小鳥が舞い込んでくる。よほど私のことが気に入ったらしく、自分から鳥籠に入る。私は早速その 小鳥に放射能を浴びせ、何分生きていられるかを観察することにする。久しぶりだったのでウランの扱いを誤り、うっかり被爆してしまった。こうしたときの 対処に心を乱すことは無いのだが、放射能を測定する際「ガイガーカウンター」の懐かしい響きについ故郷を思い出してしまった自分の心の甘さは許しがた い。恥ずかしさのあまり、フロアーの掃除人を一人残らず撲殺する夢を見る。帰りの電車の中、『まるごし刑事』のストーリー展開のパターンを把握すること についに成功。ようやく気持ちが収まる。寛容の大切さを学んだ一日。