R.H.の手記
再び映画を見る。「愛のなんとか」とかいう題の映画だった気がする。ロリに も熟女にも飽きてしまったAV監督はかつて一回やったことのある「大人の女」を 求めて放浪する。しかし「大人」とは何か。AV監督の定義では大人とは「仕事と セックスの区別がつく人間」の事である。つまり「真の素人」ということだ。女 性労働者に身をやつす大人の女を発見したAV監督は、しつこく出演交渉をする。 ちなみに監督も大人の女も反米思想の持ち主なので、アメリカ製映画を厳しく糾 弾し意気投合。思いで話に耽る。AV監督は免罪符であるかのように女性労働者を 女神に見立ててあがめ奉っており、彼女のために曲を書こうとして失敗する。私 はここら辺が主人公の現実世界での性的不能の原因になっているとみた。女はじ つはかつてのスパイの娘で、相変わらず暗号名で暮らしていた。父親は狂ってお り、AV監督の「宮廷恋愛型AV」を撮りたいのだという話もへらへら笑って全く聞 いて無い。また大人の女は母親が奇形であることがトラウマになっており、母親 の容姿をしつこく問い詰める。さらに話を聞き付けたアメリカの秘密組織が作品 を奪取しようと躍起になって介入を初め、てんやわんやの大騒ぎになる。AV監督 は結局強硬に出演を依頼しすぎたせいで彼女を自殺に追いやってしまう。プロデ ューサーにボロクソに罵られてるくだりで映画は終わる。ちなみに日本映画にエ ログロナンセンスが多いのは、おおかたの人間が私と同様の思考回路を持ってい るからであろう。