R.H.の手記

バイブレーターを尻に差し込んで山手通りを渋谷まで歩く。この通りは何でこ んなに工事ばっかりしているのだろうか。杜撰な都市計画について憂いている と、中野坂上の辺りでトレーラーにはねられてしまった。しりもちをついた途端 にバイブが口から飛び出てしまったが、すんでのところで根元をくわえ、忍者走 りで甲州街道を北上しようとしていたトレーラーに追いつき間抜けな運転手のケ ツに差し込んでやった。移動するバイブはもはや貨幣だ。ということは、いつか 私の元に戻ってくるということだ。その日まで元気で、俺。いけない、タンポポ を踏みつぶしてしまった。路上駐車全てを半ドアにして帰る。