塩田明彦監督『黄泉がえり』の試写会へ。古澤さんがスタッフをしていて、僕は美術協力として楽器をいくつかお貸ししていたのだった。日比谷で古澤さんと待ち合わせ、東宝本社へ。九州の小さな町で、死者が次々と戻ってくる。公開前なのであんまり書きませんが、なんてせつない映画なんだろう。設定が設定だけに、死体はどうなるの、とか、ツッコミどころが多いといえばそう。でも、相当こころに迫るものがありました。死は永遠の離別 だ。だが、それが再び訪れるとわかったとき、ひとはどう向き合っていくのか。正直、一番の見せ場となるべきところには安っぽさを感じてしまったのだけど、むしろサブストーリーのディテールにひどく胸を打たれた。思い出の痕跡が映るとき、死者とのつながりと断絶とが、同時に身近なものとなる。もちろんこれから先、よみがえった死者に出会うことは多分ないとおもうけど、でも、ひとつひとつの出会いと別 れを大事に噛みしめていきたいと、感じさせてくれる映画でした。でも、やっぱり主役二人がちょっとテレビ向け演技なのが気になっちゃったかな・・・。あ、それから、僕の楽器はぜんぜん映ってませんでした。あとこれ、ネタバレというほどのものでもないので書いちゃうけど、正確には忘れましたが、「それじゃあ生き返ったんじゃなくて、まるで黄泉がえりじゃないか!」というセリフがあるんです、寺門ジモンの。その二つの差異って、世間にも認識されているものなんですか? 古澤さんに尋ねたところ、タイトル言わなきゃしょうがないだろう、との指摘をうける。わりとメジャー指向というか、表現過多なところもあるとは思うけど、でもすごくいいファンタジー映画ではないか。タイトルからゾンビものを想像したひとには期待はずれかもしれません。公開は今週土曜から3週間限定とのこと。そういえば江崎さん、竹内結子が心底好きらしい。昔は宮沢りえが好きだったらしく、ある時期ことあるごとに、貴乃花ぶっ殺す、といきまいていた。ロック画報のレビュー、〆切なのだが筆まったく進まず。困ったなぁ・・・。