江崎邸ではなぜかルースはモテモテだ。お母さんはお庭をみせたり三味線をみせてあげたり、お父さんはルースで記念撮影すべくカメラを手にしてはなさない。後で聞いたことだが、江崎さんのお母さん心底ルースにメロメロで、案の定電話を忘れた江崎さんが家にとりに帰ったところ、うわ言のようにルース、ルースとつぶやき続けていたそうだ。これはなにかの呪いだろう。弟さんが駅まで送ってくれる。能勢の山並は美しく、ルースたんもうっとりしていたようだが、実はここはダイオキシン汚染で有名になった地域である。夢を壊さぬため、黙っておいた。このあたりは金山の秘密を守るべく、人夫が処刑されたところなのだ、ということを賢明に説明する江崎弟。だがあまり伝わっていなかった。新大阪で小島さんたちと待ち合わせして、喫茶店でくつろいだのち新幹線で小倉へ。僕は九州大陸に足を踏み入れるのははじめてである。ギャラリーソープはすごいかんじのいいところで、田中くんは近年まれにみる好青年であった。疲れて集中力を欠いているのか、三人の演奏には昨日のをコピーしているような印象をうける。まぁこういうこともあるだろう。ただ、彼らの場合お互いむーちゃくちゃ仲がよいというせいもあるのだろうが、どうも自分たちの演奏に対するクリティカルな視点が欠けているような気はした。自分を振り返ってみていろいろ考える。あ、それから、ライブ前にはいった居酒屋が死ぬほどおいしかった。さすが九州。魚がウマい。みなさんはごま鯖をたべたことがありますか。文字どおり鯖の刺身をごまであえたものだが、これはスゴい。しかしいくら旅先だからといってこんな贅沢をしていいのか。勢いでウニまで頼んでしまった・・・。今月は霞をたべて生きていかねばなるまい。ソープオーナーの宮川さんたちと焼き肉屋でうちあげたのち、LEVEL 1というスペースに泊めてもらう。ここは古い長屋で、たいへん風情があるのだが、廊下に奇ッ怪な人形がおいてあって、素で恐かった。夜寝ていると、隣室からフェランのいびきがきこえてきて、それに応えるかのように一楽さんもおっぱじめたので、ステレオでいびきを聴きながら眠れぬ夜を過ごす羽目に。