小倉をぶらぶらした後、山口へ。企画してくれた山内君のお母さんが旅館に勤めておられて、そこに泊めてもらえることに。ほかの宿泊客はおらず、建物まるごと貸し切り状態。さすがに引率に疲れ果て、和室に倒れていると、突然障子がバーンと開く。あッ、と思うと浴衣を着てご満悦のアルフレドとターニャがいて、カメラを差し出され、写真をとれと言われる。この時、確実に疲労は殺意に変わった。それにしても彼らはなぜこんなにテンションが高く、しかもそれが持続するのだろうか。デフォルトで人生楽しむ、というモードが設定されているのが羨ましくおもえる。こちらはほっておくとどんどんじめじめしていくの。時間感覚のズレが結構しんどいのだが、これは文化の違いとしかいいようがないので、イライラしないように気をつけようと思うのだが、それが漏れてる自分に気付いて自己嫌悪したりするのにも疲れてきたー。で、印度洋。この三日間はPA続き。それなりにいいとは思うんだけど、やはりなにかがちがう。音の聴かせ方について考えたい、という問題意識は共有しているとばかり思っていたので、ちょっと残念な気がした。が、この際自画自賛。この日の一楽さんと僕のデュオは名演だった。音がビールサーバーのノイズに融けていくようだった。一楽さんはアコースティックのドラムセットを触ったりなでたりしていて、ジェフリーをさらに渋くしたかんじ。自信をつける。あ、そういえば一楽さんと木下君と、9月にフランスツアーに行けそう。さて、深夜、旅館に戻る。あいかわらずみんな大騒ぎしていたが、僕がお風呂にはいって出てくると、物音ひとつしない。さすがに疲れて寝入ったかと思い、新聞を読もうかとロビーにいってみると、なんと玄関に靴がなく、かけたはずの鍵が開いている・・・。なんじゃこりゃぁと思って布団にくるまっていてしばらくすると、下からこの世のものとは思えぬ高笑いが近付いてきて、なんとも言い難い虚無感に襲われた。