朝、旅館の大将がちょうど配達があるというので、車に乗っけていただく。いろいろお話したのだが、どこの旅行会社の方なんですか、と問われて辟易する。ツアーコンダクターだったのか・・・。名古屋へ。彼らがよく用いる「just 2 minutes」という表現は、慣用句なのだということにようやく気付いた。急いでいるにも関わらず、二分待ってくれ、といわれて待つと全員でわらわらとパン屋に入っていき、その場で食べはじめて20分くらいはたってしまう。異文化コミュニケーションって難しいネ! なんとかホテルまで引率し、僕はひとりで漫画喫茶に入る。あぁ、自分の時間・・・・、なんて居心地がいいんだ・・・。それもつかの間、江崎さんと合流し、みんなを連れてカノーヴァンへ。ここは場所の雰囲気もよくって、スタッフのみなさんも感じがよくって素晴らしい。昔僕がバイトしていた不動産屋とはえらい違いだ。社員全員仲が悪くて、おまけに社長は社員の女の子ひとりをやたらひいきして、独断と偏見でボーナスをあげてるのよ、というグチを僕は何度もきかされた。挙げ句の果てには、仕事仲間らしいヤクザがやってきて、なぜか僕にコンピューターをおしえてくれやという。震えていると、「ヤクザはなぁ、パソコンができんのじゃぁ」とキーボードに置いた指にほんとに小指がなく、ここで爆笑したら殺される、と思い、なんとかその場を取り繕って逃げ出したものの、そのバイトはやめた。で、ライブ。さらに自画自賛だが、江崎さんと僕のデュオは過去最高というくらいよかったと思われる、が、録音にはお客さまのいびきがばっちり収録されており、ループ感をかもしだしているのでボツ。ノンPAだから、というわけだけではないだろうけど、さすがに5回目だけあって、バルセロナ勢の演奏にもなにかネクストを探そうという意図がよみとれて、僕はツアーのなかでは一番よかったのではないかと思った。ほかのところのほうがもちろん完成度は高かったんだけど、なんだかもりあがっては落ち着いたりして流れがワンパターンで、正直飽きた。彼らはとにかく出す音がすこぶる良いので、聴かせ方を考えないとほんともったいない。いい意味にも悪い意味にもとれるが、バンドサウンドになってしまっていた。この日は後半、江崎さんとフェランのデュオ、ぼくとルースのデュオと、それからアルフレドのソロをやったんだけど、これはいずれも楽しかった。新しいモノ、新しいモノ、とばかり考えるのは結局「古い」ものを規定することにしかならんし、所詮小手先のギミックで終わるとは思うけど、やはり探求心のあるもののほうがだんぜんおもしろいとおもう。で、カノーヴァンのみなさんと打ち上げて、彼らはホテルに、江崎さんと僕はカノーヴァンにとめていただく。仮設ベッドまで用意していただいて、江崎さんの部屋より100倍快適だ。まぁせっかくなので夜を満喫しますか、というはなしになり、コンビニに行ったのだが、勢いあまって不愉快極まりない組み合わせのメニューにしてしまう。ファンケル青汁豆乳飲料柴崎コウが宣伝してるキリンカクテル炭酸 WO:[ウォウ]、魚肉ソーセージ、ベビースター、チーズケーキ、それとリポビタンDと、PINO。この豆乳飲料が死ぬほどまずくて、あやうく吐くところだった。これと魚肉の組み合わせがさらに最悪で、これにWO:のブラッディ・ウルフ[トマト&スパイス」(ブラッディマリーを彷彿させる地中海産の風味豊かなトマトに、ペッパーなどのスパイシーなアクセントと、切れ味のいい炭酸をミックスしました)が加わると、不快感以外なにもない。唯一の救いであったはずのアイスも知らぬ間にドロドロに融けており、まったく不愉快なり。吐き気と闘いつつ、心底落ち込んだまま就寝。


まずさに顔をしかめる江崎さん。

この後の惨劇を知る由もなかった。