毒ガラス

ドラムの王将

早朝、ジャン=フィリップと所沢へ。所沢から成田まで直通リムジンがでているのである。始電では間に合わないのでタクシーを呼んだ。ところが運転手さんがなかなかいい味を出しており、近距離にもかかわらずさんざん道に迷ったあげく、途中まで料金メーターを動作させるのを忘れていた。格安料金で到着。見送って、帰って寝る。ずーっと家にひとがいたので、なんだか一息ついた。と思う間もなく、昼下がりより泉君と打ち合わせのため早稲田へ。ヒバリ次回作ジャケットイラストを依頼。干し首、毒ガラス、地底人・・・次から次へとわきあがるアイディアの数々。彼の才能が存分に発揮されたたいへん愉快なジャケットになることを強く確信する。ちなみに場所は大学がおっぱじめた喫茶店で「早稲田ブレンド」なるコーヒーがウリだ。クマをあしらった早稲田グッズが各種取りそろえられている。それから、泉君と散策。ディスクユニオンの袋をもった女の子のあとをつけてみたり、「YMO」を足文字でえがいた写真をとったり、焼き肉屋の看板におびえてみたり、それから狐憑ごっこもする。知的好奇心と創作意欲をかき立てられる非常に有意義なひとときだった。さらにヒマなのでゲームセンターにいってみた。リズムにあわせて太鼓をたたくゲームをやってみる。「連打」というときだけ泉君がやたらハッスルするのがおもしろかった。それから、ときメモ風のクイズゲームに挑戦。クイズに答えて女の子の好感度を上げる、というのがゲームの骨子だが、キャラクターがでてくるたび、泉君が「こんにちは、また会えたね」「あ、髪切ったんだ」などと語りかけるので、周囲の目が気になって仕方なかった。それから、コントローラーが銃になっている忍者風のゲームをやった。どうやら、ものすごくヤバい鬼を復活させるための生け贄としてさらわれてたお姫さまを助け出すのが僕と泉君の使命らしい。次から次へとあらわれる敵を撃ち殺していくものの、ふたりともこういうゲームになれていないのですぐやられる。若干健闘したものの、小銭がなくなりコンティニュー不可となったため頓挫。喫茶店に場所を移して反省会。われわれはお姫さまを助け出せなかったわけだから、やばい鬼の復活はなしとげられ、鬼による恐怖政治がはじまったことだろう。だが、もし仮にわれわれがお姫さまを助け出したとしたら、われわれによる恐怖政治が行われたかもしれない。それに、鬼だからといって恐怖政治とは決めつけられないし、復活が無事すんだらお姫さまは返してもらえたかもしれないから、結果としては、これでよかったのではないか、と自分たちに言い聞かせた。