チロル

総武本線

シュナイダーさんとロメンさんに会うため、銚子のちかくまで赴いた。新宿から各駅で3時間弱。ちょっとした小旅行である。総武本線はペンキ感のある紺色の車体がかっこいい。車内ではヘッドフォンで豊田道倫sing a song』を二枚組分最初から最後まできいた。一人の男と夜明けまでどっぷり話し込んだような気持ちになる。コンビニがひとつと小さい店がちらほらあって、その周りは田畑に囲まれている駅前で待っていると、老婆にバス停の場所を尋ねられた。はじめてきた土地なのでよくわからない旨をつたえるとすごい形相でにらまれた。シュナイダー一家が自転車でやってくる。おみやげにシュナップスをもらった。ご子息、フロリアン君は11才。お昼をたべましょう、となったが気の利いたところがさっぱり見あたらないので、通りにぽつんとあったデニーズにいってみた。過度に規律化されたサービスが微妙にウケる。ウィーンのみなさんはお元気だそうだ。ちょっと散歩をしようと歩いていたら寺があったので入ってみる。戒名や卒塔婆、家紋について解説。オーストリアセミは存在しないそうで、地蔵にとまった抜け殻を熱心にビデオにおさめるシュナイダー氏。セミは七年地中で過ごし、地上では7日しか生きないのです、と伝える。ビデオカメラを握る手にもより力がはいるというものだ。日差しが強くこれ以上歩くと死人がでるかとおもったので、滞在先におじゃまする。ここはシュナイダーさんの知人の知人のお宅で、周囲は見渡す限りのたんぼである。ロメンさんの楽器、ハックブレットはすごくいい音だった。日本ではハンマー・ダルシマーといったほうが一般的だろうか。シュナイダーさんのコントラギターと二重奏でなにか弾いてくださるというので、どんな現代曲をやるのかとおもったら超牧歌的なチロル民謡で、これは和みました。しかしさすがに巧い。ちょっとだけコントラターレッスンをしてもらう。ベース弦のミュートがむずかしい。ビールを飲みつつ談笑。京都奈良観光情報、それから米の研ぎ方。シュナイダー作ピアノ曲の映像をみせてもらった。これはピアノの弦にネズミ捕りがいくつも仕掛けてあって、うえからピンポン玉を落とすと震動でそのすべてが一斉に作動、あり得ないクラスターを奏でるとゆうもの。余韻の部分のモジュレーションが複雑なうごきをしていた。ただ、ネズミ捕りが作動せずピンポン玉が転がっただけのテイクがあって、なんかこれが一番いいような気がする・・・と何度も見直すシュナイダーさん。ちょっと遅くなると帰れなくなりそうだったので日が暮れる前においとま。帰りはさすがに特急に乗ってしまった。


シュランメル音楽
http://www.malat.co.at/e_malat_schrammeln.html
「シュランメルとシュランメルンについて」(日本語)
http://www5a.biglobe.ne.jp/~scmi/WEB/schram.html
ハックブレット情報
http://www.rtpnet.org/~hdweb/
豊田道倫SING A SONG
http://bridge-inc.net/catalogs/happening/hapcd000.html