在庫

帰宅すると門が開いていた。閉めたはずなのにおかしいなとおもいつつドアをあけるとやけに風通しがよい。涼しいなーと部屋に入ったら窓ガラスが割れている。引き出しはひっくりかえされていて、床には泥がついていた。呪いやたたりの類ではない、空き巣である。警察に連絡し、持ち物チェック。ソファにおきっぱなしだったコントラギターは無事、コンピューターとその周辺機器、本やCDも手をつけられていない。うちにある金目のものといえばそんなものなので、見たところなにも盗られていないようだった。パスポートや通帳もそのまま。おそらく現金ねらいだろうが、あいにく家にそんなものはおいていないのだ。ヒバリの在庫でももってってくれたらよかったのだが興味なかったみたい。警察のひとが四人きて実地検分。つま先立ちして歩いていて、見つかった足跡は部分的なもの。手袋着用のためガラス片からみつかった指の跡に指紋はなさそうだった。ただ、警察のはなしだと、窓ガラスを何度かたたいて割っていて、どうもあまりプロの手つきとはいえないようだ。一通りチェックし僕の指紋もぜんぶとって調書をつくって検分はおわった。現時点で盗られたものがわからないので届け出としては盗難未遂ということになった。しかしたまたま不在だったのが不幸中の幸いである。窓ガラスを割られた部屋の隣でいつも寝ているので、万が一出くわしていたらあんまり笑えない事態になっていなかったともいえない。戸締まりには気をつけましょう。


フランスのウェブ批評誌『Paris Transatlantic』にジャン=リュック・ギオネ"tirets"のレビューが載ってます。
http://www.paristransatlantic.com/magazine/main/home.html