シンドローム

ギリシャのチェロ奏者ニコス・ヴェリオティスはデヴィッド・グラブス・バンドのメンバーであり、木曜のライブはその来日に便乗しました。午後、チラシ折り込みのため渋谷ネストへ。ヘッズの方々が賽の河原に石を積むがごとくTシャツを並べている。リハを終えたニコちゃんとお茶。初対面だったが共通の知人も多く、メールで頻繁にやりとりしていたためあまりそんなかんじはしなかった。この日本ツアーが終わるとすぐに、去年大蔵さんと僕が行ったのと同じベイルートのフェスティバルに参加するそうだ。ミネラル・ウォーターのボトルに入った毒水について忠告する。ネストは満員だ。こんなに人が大勢いるライブは久しぶりだ。ニコスにキッドアイラックは期待しないでね、というと、アテネでも同じだという。グラブスが最初にアテネで演奏したとき、数百人ひとが集まったが、その次にグラブス/ヴェリオティス・デュオでやったら25人くらいしかこなかったという。もちろん客二人とかはざらであり、この現象は現地で「ニコス・シンドローム」と呼ばれているらしい。俄然シンパシーを覚える。杉本さんと木下君も来ていたので、バンドは揃った。4人でビール。というか、せっかくご招待いただいたのにたいへん心苦しいのですが、ライブ中もロビーでずっと飲んでました。グラブス・バンドみようとしたけれど、あまりの人でなんにも見えずに途中で脱落。しかしPAで出しててドラムのいるバンドに生の弦楽器をいれるのは困難である。ニコスの音はほとんどなにも聞こえてなかったんじゃないかなぁ。ドラムの人との相性を考えてもチェロである必然性をあまり感じなかった。デュオの時はグラブス氏もアコースティックでやっているそうですが、その編成だともっとずっといいんじゃないかとおもう。さすがに歌はかっこよかったし。