ソドムと焼き肉

ユーロスペースで『ソドムの市』。残念ながらあまり面白くは観れなかった。だが、なんだつまらない映画と放り出す気にはなれなかった。高橋洋さんは「映画の魔」を人工的に呼び出すことは無理だ、だからこそやるのだと著書に書かれている。観る者を、この世ならざる何かに直面させてしまう映像を、不可能と知りつつ論理でもってつくりだそうとする態度、それだけでも感動してしまうし、まさしく『インフェルノ』や『蛇の道』ではその事態がおこっていたことも知っている。とにかく「真剣にやる」ということだと思うんだけど、この映画では、その真剣さが映画の構造のなかで茶化されている。笑いがよくないというのではない。ギャグもまた恐怖とおなじく映画における混沌としてあらわれればきっととてつもないものになるのだろうけれど、ここでは恐怖と笑いが相殺しあっているようにしか思えないのだ。難しい領域だとおもう。『ソドムの市』にまつわる言説もふくめて考えざるをえない。ちなみに特撮の新谷尚之さんによる8mmアニメ「電球烏賊祭」がすごかった。http://www7a.biglobe.ne.jp/~cine_guerilla/
飲み会に際し、華やかなメンツを揃えることを宣言した服部だが、会場である職安通りの焼き肉屋「幸永」に入ると、いたのは服部と泉だけだった。ある意味華やかではある。ここはシビレ、ゲタカルビ、極ホルモンといったマイナーな肉類がたいへんおいしい。20時前にはお開き。タワーで想い出波止場の新譜を買って、そのまま帰るのもなんなので私は一人テアトル新宿で『くりいむレモン』。私はこういう甘酸っぱい映画が好きだ。監督は同い年みたいだ。