血と鬼の爪

息巻いていたものの目が覚めたら1:30。マブゼ博士がはじまった時間である。あわてて髭をそったら切ってしまって、血をポタポタ垂らしつつアテネにむかう。『インフェルノ 蹂躙』には間に合った。何度みても、みなければよかったと後悔する。人のかたちをした悪魔が映っている映画である。高橋さんの8mm作品『夜は千の目を持つ』『ハーケンクロイツの男』がすごかった。畏怖していいのか笑っていいのかよくわからない混沌としての自主映画。ナチの残党が整形手術を施して日本に潜んでいる。終わった後須川さんに高橋さんを紹介していただいてちょっと緊張。まだ時間があったので新宿ジョイシネマにかけこみ今日初日の「隠し剣 鬼の爪」を観る。恋愛モノとしてはすこし都合がよすぎるような気もして正直なところ『たそがれ清兵衛』ほどの感動はなかったがまぁまぁおもしろかった。種明かしはしませんが、「鬼の爪」が繰り出される瞬間がすごい。あっけにとられた。ふだんはさほど関心ないのだが、松たか子よかったなぁ。江崎さんは『たそがれ』のとき、宮沢りえがでてきた瞬間に号泣したらしい。しかし山田洋次はこれから延々と藤沢周平を撮り続けるつもりなのだろうか。寅さんの監督だものな。とことん突き詰めていただきたい気もする。