アクマイザー3

ビデオで「アクマイザー3」。75〜76年にかけて放送された東映ヒーローもの。夜空に突如あらわれた幽霊船から金色の腕がでてきて人々を連れ去り、後には白い砂が残されているという第一話の冒頭からまず度肝を抜かれたが(ちなみになぜ砂が残るのかという疑問は最後まで解明されず)、相当かわったもののようだ。他のヒーローものと異なるのは主人公の三人(ザビタン、イビル、ガブラ)に変身シーンがないところ。彼らはアクマ族なのでデフォルトが怪人なのだ。特にガブラの造形はかなりマズい。ちなみにアクマ族は地底の空洞部に住む種族で、環境に適応するため体に機械が組み込まれている。地底が住みにくくなったので人間界に攻め込むことにしたらしい。ザビタンたちは人間にとっての正義に目覚めた裏切り者だ。ドラマ全体を通して地球空洞説はかなり重要なファクターであり、サブキャラクターである新聞記者の一平も「地球は空洞であり南極と北極に地底への入り口である大きな穴があいている。中心には地底太陽もあるのだ」と図解入りで上司に説明していた。ザビタンたちは敵の本拠地へ攻め込む時はかならず北極まで行かなければならず、なかなかたいへんそうだ。アクマ族はその名の通り残忍きわまりなく、処刑の文化が発展していて、鉄をも溶かす薬品、鋼鉄の処女磔刑などなかなか手が込んでいる。ザビタンは目の前で実の母とかつての親友を惨殺された。ちなみにその親友サイレーンは聞き続けると人間が消滅するという音響兵器を使って銀座を支配しようとする。科学者らしい人物にコンセントを引き抜かれて失敗していたが。あと、件の幽霊船はザビタンたちに乗っ取られ近代的飛行艇ザイダベック号へと変貌を遂げるが、毎回変形シーンがあるのが不思議だ。待機中は常に幽霊船の姿で、地底におもむく時だけザイダベック号になるようだ。3話みただけなのに疑問が無数に沸き上がりすっかり引き込まれた。ツタヤにはビデオ第一巻しかなかったが、いずれ続きを観てみたいものだ。