フェス三日目

昼、ショーン主催の会食会。だが、ミュージシャンの面々は前夜の飲酒が原因かほとんど欠席で、なんだか自分が紛れ込んできてしまったような印象もあったが、料理はほんとにおいしかった。中華街近くのベジタリアンレストラン。ここはいつかまたゆっくりきてみたい。そのあとなんとなく流れてコーヒー屋へ、ダミアンと風船爆弾のはなしなど。マチネライブをみてサウンドチェック。今日はマルガリダ・ガルシアとのデュオ。ポルトガル出身のベース奏者で、マッティンとのデュオをスロヴェニアのL'innomableというレーベルからリリースしている。偶然にも私と誕生日が一緒だった。一昨日行ったのとおなじパキスタン料理屋で、バリーと三人で夕食。で、三日目も終了。今回のフェスティバルは、もちろん面白いセットもあったし、自分はやりたいことをやったという手応えもあるけれど、全体としてなにか心に引っかかるものがある。お互いが競い合っているような印象をうけたとほかのミュージシャンが言っていたが、そうかもしれない。ナァナァに褒め会っているよりはギスギスしているほうがいいと思うけど、そういうわけでもなくて、なんというかひとの人生に深く食い込んでいこうという意志が感じられなかった気がする。そして自分もまたその一翼を担っていたわけで、歯がゆい気持ちが残ってしまった。マルガリダとのデュオもこっちの理念に基づいた演奏はできて、結果はおもしろいものになったと思うけど、ひょっとしたら彼女は枠組みを押しつけられたような気持ちだったかもしれない。マッティンとのツアーや今年のラドゥたちとのツアーでそういう気持ちが沸くことはなく、コンセプトがその場でうまれてきてほんとにエキサイトしたけれど、それはもともとある程度コンセンサスがとれていたからで、でもそうやって相手を選んで煮詰めていけばいいのか、という気持ちもあり、まぁかなり複雑な心境になった次第です。ぜんぶ終わって、道端で一通り社交を終えた後、サウンドエンジニアのジェイミーさんがとしまるさんとダミアンと私を日本料理屋に連れて行ってくれた。このひとは劇団の仕事で日本に滞在していたことがあり、パフィーハルカリのファンだそうだ。そういえば毎日パフィーアメリカツアーのTシャツをきていた。この人は気むずかしくもあるが落ち着いた思いやりのある方で、リラックスして日本酒などを飲んでいたらけっこう酔っぱらった。ジェイミーさんはワールドトレードセンター駅まで送ってくれて、それから深夜地下鉄でジャージー・シティに帰った。