hibarimusic2006-06-16

6/15(土)

昨日届かなかったベルトランの荷物を引き取るためはやめに空港へ。担当者の携帯番号を教わっていたようだが、かけてみると「お客様のご都合によりおつなぎできません」とのアナウンス。電話代をはらっていないのだろうか?オフィスの番号にかけてもだれもでず、インフォメーションでもこちらからはおつなぎできませんと言われ、なかなかシビアな状況だったため、試しに本社に電話してみたら快い対応。時間を潰していたコーヒー屋まで駆け足で運んできてくれた。時間があると作曲にとりかかるジャン=リュックだが、なにやら数式がならびはじめておっかないことこのうえない。機内にはいったらエンジントラブルだそうで、そのまま閉じこめられる。1時間半ほどおくれて離陸。香港着もだいぶおくれてしまった。乗るようにいわれていたバスはすでにないもよう。だれにきいてもよくわからないのでディクソンに電話し、なんとか乗るべきものを見つけたものの、香港ドルのみ使用可でおつりは出せないといわれ、また奔走したりと困りはしたが、いちおう乗ったものの、どこで降りていいのかよくわからんので終点までいってみようと適当なことを言っていたら果たしてバス停にマッティンとディクソンがおり、胸をなで下ろす。マッティンはあいかわらずクルクルパーで最高だ。血痕にみえる染みがいっぱいあるホテルにチェックインし、ラーメンを食べる。そのあと豆腐屋に行ったが、これはたいへん驚きました。豆腐にはいろんな楽しみ方があるんですね。奥が深い。コンビニで度数48のよくわからないお酒買って、ホテルの部屋で回しのみしつつ、近況報告や今後の展望など。アメリカからでた100枚限定CD-Rの発売記念ツアーを中国でしてるってなんかおかしくないか、という話になり、とても愉快だった。


6/16(金)
幽霊にうなされることもなく、比較的目覚めはよい。昨日のお酒はなかなかいいものだったのかもしれない。ディクソンから遅れるとの連絡があったのでベルトランと散策。一昨年アテネではこのひととずいぶんぶらぶらしたもので、懐かしい気持ちになった。ディクソンと落ち合って飲茶へ。日本とは格段に違う。食通でしられる服部君は中国食ツアーを遂行すべきだろう。バスと電車を乗り継ぎ、深川へ。マッティンと話していると次から次へと適当かつ強力なアイディアがでてくるが、いままでそのほとんどが実現してしまっているのがすごいところだ。中国からかえってから異様に忙しくなりそうだ。香港を少し離れるだけで車窓には美しい山脈があらわれる。旅の醍醐味である。現在でも香港から中国に入るときは入国審査を通り抜けねばならない。カードに宿泊先をかかないでいたら問いつめられたため、somewhere in shangzhenとかいたらそのまま通れた。うそはついていないからいいだろう。タクシーで街へ。深川は日本のビジネスマンであふれかえっているときいていたが、それらしき人物はひとりも見かけない。エリアがぜんぜん違うのだろうか。ホテルに荷物をおいて、会場へ。ビリヤードが併設されたロッククラブのようなところ。なにがいいバランスなのかさっぱりわからない編成であることに気づき、いちおうサウンドチェックのようなものをして間食。ここでも数々の豆腐スイーツがあらわれ、あまりのうまさにジャン=リュックがゲラゲラわらいはじめて、こわかった。演奏を始めた時点であまりひとはいなかったが、やっているうちにだんだん人数が増えていく。しかし、こちらに注目しているひとはほとんどおらず、みなさんご歓談されているか、演奏中もつけっぱなしの大モニターに集中されているもよう。もっともステージの上では、上半身裸のマッティンがコンピューターにむかって絶叫しながらうろうろしていたので積極的に視線を合わせたいものではなかったかもしれない。やはり、マッティンとやっているともはやクオリティがどうとか言いようのないほど強烈に奇怪なものをつきつけられるので、じつにエキサイティングである。演奏終了ときっかり同時にモニターの音声がオンにされ、サッカーの試合がはじまった。アルゼンチン対セルビアである!大歓声に包まれる会場。あとで聞いたところによると、この日、会場が入場料をとることを忘れており、ご来場いただいたみなさんは単に大画面でサッカーを見に来た人だったのである。中国初ツアーとしては最高の出だしだ。ちなみにこの試合は6-0でアルゼンチンの勝ち。僕はこの試合を一生忘れないだろう。最初しかみてないけど。