上海

hibarimusic2006-06-20

6/19
本来ならば電車で深川に戻り、空港までたどり着く予定だったのだが、謎の人脈により軍人ドライバーが雇われ、広州から深川空港まで送り届けられることになる。昨日マッティンが購入したRAMは規格が会わなかったことが判明したため、昨日の店まで送り届けてもらって返品することも面倒をみてもらった。軍人ドライバーは道中、ディクソンになにかヒミツを語ったらしいがあくまでヒミツであった。フライトより思い切り早く空港に到着してしまい、空港で3時間を過ごすことになる。例によって飛行機は二時間ほど遅れる。魔都・上海に到着。メトロポリスっぷりに目を丸くしながらホテルへ。いままで注文はすべてディクソンを信頼しきっていたのだが、我々を楽しませようとしてくれたディクソンがオーダーしたものが、エビの躍り食い、カエル、スッポンであったため、やや難をかんじてしまったのと、臨席の酔っぱらいがからみはじめて、マッティンのビールを勝ってに飲んだり皿をひっくり返した以外は素晴らしいディナーであった。スッポンのせいか頭に血が上ってしまったが、ベッドに入ったら気を失うように眠ってしまった。


6/20
早めに目が覚めたのでベルトランと二人で散策。たまには中華料理以外のものを食ってみようという合意を得、フレンチベーカリーなる店に入るとこれがなかなか美味であった。イーサネットケーブルがほしいなぁとたまたま見つけた電気屋に入って聞いてみると、その場でハンドメイドケーブルをつくってくれて、一本40円。それから寺を見にいく。文革の時代にボコボコにされたらしく、すべてリペアものではあったが、人々が一心不乱に仏を拝むさまをみるのは興味深かった。ディクソン、マッティンと落ち合い昼食。諸々仕事があるらしいディクソンに別れを告げ、三人で上海散策。道に迷うのは実に愉快である。適当に歩きながら伝統楽器店やおもしろ印章屋などをみつけ、たまたま入った中国茶屋で2時間くらい音楽議論する。そのため、地下鉄を乗り継いで闇DVD屋にたどりついたら丁度閉店時間になってしまっていた。残念ではあるが、そのエリアはなにか危険な香りがして上海にいるなぁという情緒を我々にもたらした。ディクソンと合流しホテル近くの料理屋へ。4時間におよぶ音楽と文化についての議論が非常にエキサイティングであった。textureとstructureについてのかなり込み入った議論であったが、今、日記を書いている僕が紹興酒のためにフラフラしているため、それについて記述するのはまた別の機会にしたいとおもう。ディクソンが、sound textureにしか関心がなく、どうそれを選択するか、についてはfeeling、あるいはイイと思うかどうかしかが基準にならないというはなしは実に興味深かった。ディクソンはLPやCDを通して聴くことはまずないらしい。たとえばラドゥのCDにせよ、早送りして聴いて、sound texture i like を探すことにしか興味がないと明確に言い切ったことは、非常に印象的だった。たぶん、いま僕が興味をもっているのは、quality of soundなるものがどのような文脈で、あるいはどのような構造によって生じたとされるのか、ということにあるように思う。ディクソンに、どうやってi like or don'tを定めるのか、と訪ねると、my feelingという答えしか返ってこないのである。数年前にアンドレアと似たような議論をしたことを思い出した。当時、アンドレアも私の好きな音を選んで並べるのが私の音楽だ、ということを言っていたが、my favorite thingsだけを選んで作品を作るということが、当時の僕にとってなにか危険なことのように思われた。といったようなことをいろいろ語りあったのだが、先にも述べたとおりいま僕はとても酔っぱらっているので、口を噤むことが正しい選択であるように思う次第である。あと、どうやら明日もコンサートがある可能性があることがわかったが、それも明日にならないとわからないらしい。


さて、仮に泉君を見習わなかったとしても我々は告知する!
http://www.hibarimusic.com/j/event/mgdu.html
このリンクで言及されているライブに是非きていただきたい!とても面白いか、あるいは、聴き手に名状しがたい困惑を突きつけるものになっている、んじゃないだろうか。内幕を告白すると予約の少なさが我々に困惑を突きつけているのである。あと、いま我々はとても貧乏であり、一杯のかけそばを四人で注文することすらためらっているのである。それはともかく、その時間を経験しないと理解しえないモノがあると少なくとも僕は信じているので、早送りしないで我々のライブに来ていただきたい、と切に願っています。


あと、泉君と僕がこの世の終わりについて描いたマンガが掲載された雑誌がいままさに発行されたもようデス。
http://nununununu.net/
とてもゆかいなまんがなのでぜひよんでください。