ループライン、アテネ、POO

ループラインの室内楽シリーズ第一回は盛況。ありがとうございました。ハープと佳村さんのエレガントな歌声のせいかいつになく優雅なアンサンブルに、飯田さんのドメスティックかつ崇高な佇まいが映える、なかなかほかにないコンサートだったのでは?杉本曲は歌詞のある歌にとりくんでいてびっくり。でもそこだけ突出することなく、ちゃんと音楽にとけこんでいてよかった。この企画はこれから毎月やろうかというはなしになっているので、いろいろチャレンジしていきたい。次回は9/29でメンバーは現在交渉中です。


土曜はアテネフランセ古澤健特集。『home sweet movie』何年ぶりにみたかわからないが、あらためてよかったなぁ。こうしてまとめてみると、『オトシモノ』まで撮られた状況はまったくちがうが、出来事の切り取り方というか、一貫した視点があるように思える。作家性というより、現実への向き合い方、ということなのかな。何度もみているせいか『ロスト★マイウェイ』は特別な愛着がある映画。あの三人組にたまに会いたくなる。ぜひ飯田さんに観てほしいとおもう。上映後の黒沢・古澤対談もおもしろかった。両名とも飄々としながら深遠なことを話しているよう。怪談とJホラーの幽霊をあえて区別するなら、という話になって、怪談映画の幽霊が人間のある部分を極端にした、あくまで人間と連続する存在として描かれ、恐怖と共に情感を漂わせるのに対し、黒沢、高橋、鶴田といった方々が描いてきた幽霊は、人間とは断絶した理解不可能な、怪物といってもいい存在なのではないかというようなことを古澤監督がいっていて、さらにつづけて、現在は制作サイドからの要請なのか、日本でホラーというとどうも髪のながい女性が立っていて、ということになってしまうが、理解をこえた怪物への恐怖ということなら、宇宙人や地底人を題材にした恐怖映画があってもいいはずだという力強い発言があり、ぜひこれまでにない宇宙/地底ホラーに挑戦していただきたいものだ。『オトシモノ』もそういう意味では既に、いわゆる幽霊ものとは一線を画した志の高い作品だとおもったけど。ラブクラフト好きにもぜひ観ていただきたいです。とりあえず、韓国発の怪物もの『グエムル』がヒットするかどうかがカギらしい。


月曜は豊田さんのライブをみにいく。シアタープーの歪み気味のPAのほうが届くものがあるなぁとおもう。ライブ会場で販売されているCD-Rに先日のアップリンクで一緒にやった音源が収録されている。