テアトロ・グロテスコ

フォークジャボリー翌日から体調を崩してしまい、『泥の惑星』を観に行った以外は3日間ほとんども家からでなかった。お誘いいただいていたライブも見逃してしまって残念。でもその甲斐あって、といってはなんですが、Thomas Ligottiの”Teatro Grottesco”を読了。これは…知らないまま死ななくてよかったです。分類としてはホラー小説としか言いようがないけれど、異界からの侵入者が現れるわけでも人知を越えた怪現象がおこるわけでもなく、いや、もちろん恐怖としか言いようの無い現象があるんだけど、その原因にまず悪魔や呪いといった超越的なもの、あるいは「狂気」の領域を持ち出してこない。物質と思考によって恐怖が形作られている。しかも市政や工場や会社の形態をとっていたりして、この社会経済におさまってしまっていたりするところがなお恐ろしいという。全編が一人称形式で、ラヴクラフトの後継者みたいにいわれるのもその語り口のようですが、リゴッティはクトゥルフのような大いなる存在を描くことはなく、うわさ話や独り言を呟いているうちに存在の在り方が変容してしまう。(最後の”the Shadow, the Darkness”では非-存在が存在を啓蒙するという大事に…)。地味といえば地味なんですが、こういう冷静沈着なホラー小説は他に類をみないのではないだろうか。どなたか訳していただけないものでしょうか!?次は”MY WORK IS NOT YET DONE”を読んでみるつもり。これは「会社組織ホラー」、らしい。

キッドアイラックフォークジャンボリーは笑いあり、涙あり、頭痛あり、啓蒙あり、感動ありのすばらしい内容でした。みなさんほんとにありがとうございました。一度だけで終わりそうな気がしておりましたが、原さんにまたやろうよーと言われましたし、またほとぼりが冷めた頃企画できたらと思っております。

あとはテレビで『デアデビル』。聴覚で空間を把握する超感覚表現がなかなかよかったが、敵にもう一ひねりエレガントさがほしかった。しかし有罪にできなかった被告を暗殺する弁護士って、すごいなぁ…。正義ってなんだろう。

来週からのホース月例ループライン、来週はいろいろかぶっちゃってますが、HOSEとpopoの共演もよくありそうでなかなか実現できないものですのでぜひご来場ください。この四回、毎回新曲を書くというノルマを自分に課したが…

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