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桃さんは寝ていたが、ダニエルがおこしてもダメだったそうなので二人で散歩に出る。当初は近くを徘徊するつもりだったが、どこだったかでマーケットがひらかれてるということなのでバスにのって移動した。通りの脇にうさんくさい店やまぁまぁなお店がひしめいている。ねじ式の懐中時計がよさげだったが意外と高いのでやめる。なんとなく寒くなってきたので上に羽織るものがほしかったのだがいずれも帯にみじかしたすきにながし。結局ぼくはなんにもかわず、ダニエルだけ靴と、にんにくの漬け物をかっていた。このふたつをひとつのビニール袋にいれてしまうセンス、これはいったいどうなんだろう。桃さんから電話。マーケットにいくならいくでちゃんと起こせとご立腹らしい。おされなカフェーで時間をつぶし、桃さんを待つ。合流した後、ダニエルはいったんいえに帰り、憶測だが全国数千人のタイガーリリーファンには申し訳ない、桃さんのエスコートでロンドンを散策する。ベトナム料理屋の生春巻きおいしかった。装飾博物館とかいうとこにいって、イギリスにおけるお部屋コーディネイトの時代をおった変遷をながめる。桃さん曰く、このあたりはお洒落アートスポットだそうなのだが、人気がぜんぜんなくて薄気味悪い。スポットだけあって、訪れる者はいないということか? それはお洒落なのか? よくわからないが、歩いて都心にでてみた。人間が多い。ICAというICCみたいなところにいってみる。ヴィジュアルアートの展示をやっていて、大御所をあつめた特集だったらしいのだが、この世界にぜんぜん明るくない僕にはいずれもおもしろかった。またGIFアニメでもつくってみるかナァ。人に強制されてやった仕事なのに、あれだけやたら評判いいんだよなー。今日はなんだかはからずもロンドンアートを満喫してしまっているぞ。エスクワイアの特集みたいだ。ひばり書房テイストがぜんぜんない。いいのだろうか。ダメ押しでナショナルフィルムセンターにいって、「unseen cinema」という特集上映をみる。