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起床後、犬とともに散歩する。イギリスの田園風景はいいですなぁ。見渡すかぎり緑がひろがり、遠くに牛がいる。ひょこっとあらわれる教会が千年くらい前のものだったりするところもステキ。老後はこんなところがいいなぁ。ま、老後があればのはなしだけど。僕はイギリス名物フィッシュ&チップスを食べたことがなかったので、お昼に買ってきて、デヴィッドさん宅でたべる。これようするに、白身魚のフライにフライドポテトがつけあわせでついてるってことだよね。ものすごい油っぽくて、完璧にもたれた。デヴィッドさんが撮影したビデオをいろいろみせてもらう。エヴァン・パーカー・ストリング・オーケストラにおいて、全員が弾きまくっている中、すっかり目が死んでうつむいているマークの様子を克明にとらえた貴重な映像もあった。しかしデヴィッド氏、どれ見てもマークの手元ばっかり写しているようだ・・・スキなのか? デヴィッドさん、レコードのコレクションもオーディオ機器のクオリティもすばらしい。あ、あと、ボブ・ディランマニア。この街いいなぁ。機会があればもうちょっとゆっくりしたいものだ。三日くらいで飽きそうだけど。デヴィッドさんとその犬に別れを告げ、リーズへ。ダニエルが昔住んでいたそうだが、あまりいい思い出はないらしい。ホテルにチェックイン。部屋に入るとダブルベッドだったので、えっ、マークと一緒のおふとんで・・・と思ったところ、別にソファベッドが用意されていたので胸をなで下ろす。数十分仮眠。同ホテルに宿泊中で、今日一緒に演奏するグラハム・ハリウェルの車で会場へ。はじめまして、とかいってしまったが、よく考えたら去年ロンドンで演奏したとき録音エンジニアをやってくれてたひとだった。普段はハイエンドオーディオ機器を取り扱う仕事をしてるらしい。眼光鋭い好人物。今日演奏するのはパブの二階。建物も150年くらいまえのものとのこと。雰囲気ありすぎだ・・・。昨日まではお客さん5人強といったところでマァいつもどおりといった印象だったが、今日はわらわらとひとがあつまってくる。エリック・アイドルに魔法をかけて老けさせたみたいなおっさんから赤い髪を逆立てたおねえさんまで、さまざまな人間模様が浮かび上がる。グラハムのソロはフィードバックサックス。無指向性コンデンサーマイク二本と、かなりよさげなアンプとスピーカーをつかっていて、地味ながらすごく繊細な演奏だ。終了後、一旦ホテルにもどってからご飯をたべにいくが、どこもあいてない。しかたがないのでバーガーキングで済ます。夜のリーズは荒れている。酔っ払いばっかりだ。