12音

hibarimusic2004-03-05

朝、早く目が覚めたので、シェーンベルグ・センターにいってみる。モノ自体は手書きの楽譜くらいのもので、展示として決して充実はしていないが、テープによる日本語解説があって、この作曲家についての理解を深めるよい機会となった。12音の影に珍発明の数々あり。テニスのスコアボードや四人用チェスは有名だが、歯磨き粉のチューブを壁に引っかける装置や奇っ怪トランプなど、べつにあなたがつくらなくてもいいでしょう、というものをいろいろ開発していたようだ。うっかりシェーンベルグTシャツを購入してしまった。ホテルにもどってみなさんと待ち合わせ。クリストフおすすめの中華料理屋へ。大友さんがものすごい勢いでいろいろなものを注文し、まわりが多すぎるんじゃないだろうか、と疑問をなげかけると、いや、この人数では絶対足りない、足りないとうわごとのように繰り返すのがおそろしかった。いろいろ注文の手違いなどもあったものの、結局カモはテイクアウト、デザートはキャンセルした。ここはほんとにおいしかったが、店の名前は覚えていない。さて昨日、杉本さんが楽器屋で見かけたというコントラギターを物色しにいく。これはウィーンにしか存在しない弦楽器で、通常のギターに7本、もしくは9本のベース弦がついている。以前より噂はきいていて、おもしろそうだなぁ、ほしいなぁ、と思っていたのだが、実際目の当たりにするとここには無限の可能性が広がっているのではないかという気がしてきてしまった。しかも、まずいことにお値段がお手頃である。一晩考えるためと手元に現金がなかったのとでおじさんに明日までとっておいてください、とお願いして、店をでる。今後こんな値段でコントラギターに出会えることは二度とないかもしれない。悩みつつ、カフェでとしさんと落ち合って、二人で市内観光。いろいろ歩いた気がするが細かくは覚えていない。それから、僕は古楽器博物館に行きましょう、と提案したのだが、としさんはどうせ大久保のザ・中古楽器屋みたいなところなのだろうから、そこはいやだ、僕も是非、拷問博物館に行きたい、という。そんなわけでウィーン滞在数日にして、二度、拷博にいくことに。としさんは英語の解説を一生懸命読み、ここはまじめな施設なのだと強く主張していたが、まじめな施設が拷問蝋人形に赤い照明をあてるだろうか。でもまぁ、楽しかった。ホテルで休んだ後、会場へ。久しぶりにラドゥ・マルファッティさんにお会いした。シェーンベルグのはなしをして、ところでラドゥ・マルファッティTシャツはないのですか、とおたずねすると、私の死後、マルファッティ・センターで絶賛発売中だとのこと。杉本拓、ラドゥ・マルファッティ、クラウス・フィリップトリオはかなりよかった。互いの音が溶け合っていて、なまめかしさすらかんじた。それから、ベルリンもだったけど、コスモスはやっぱり美しかったです。この日も夜はみんなでキャプテンの部屋で飲んでいたようだが、僕は部屋に入ったとたん深い眠りに落ちました。どうして海外にくるとうっかり早寝早起きしてしまうのだろうか。