不動

hibarimusic2004-09-24

早朝、路面電車を乗り継ぎウィーン・シュドバノフ駅へ。スロヴェニアの首都、リュブリャナへ向かう。約6時間の旅路。客席はまばらでコンパートメントに横になる。保存してあるのだろうか、国境を越えると駅ごとに蒸気機関車がある。プラットフォームで企画者のLuka Zagoricnikが待っていてくれた。説明部分の多い冗談が好きなようだが、オチの部分がよくわからず苦戦。伝統料理屋でランチ。ザワークラフトの上に肉やソーセージが置いてあり、見た目も味もそばがきにしかおもえないものが添えてあった。ひたすら重い。疲れもあってややグロッキー。ルカのオシャレなお部屋に着くと同時に昏々と眠ってしまう。マッティンにたたき起こされ眠い目をこすりつつバスにのり、会場へ。こぎれいなスクワットだが、床に座ってみるとどうみても建物全体が大きく傾いていることに気づく。旧共産圏ではなぜか大入り満員のマッティンと私。いままで誰も試みなかった音楽をやっているという確信を得る。リュブリャナのみなさんと会談。ウチアゲフェスを見に来ていたという人が何人か。ラジオ局で働いているというお姉さんは地質学の学生さんでもあるというので、地球空洞説について聞く。考えてみたこともないけれど、ありえないとはいえない、科学とはそういうもの。同じ敷地内にある別の場所に移動。野外に有象無象の若者が集い、哀愁漂うアコーディオンがながれ、廃屋のなかからクラストが聞こえてくる。きけばここは旧ユーゴスラヴィア軍の施設だったところで、いくつかの建物で夜ごとライブやらパフォーマンスやらただの飲み会やらが行われているそうだ。ジジェクが講演したこともあるという。うろうろしてみると、髪型こそ普通だがレニングラードカウボーイズみたいなバンドがライブをやってた。広場に戻るとあきらかに目つきのおかしい二人組に声をかけられ、まずいなぁとおもいつつしばらく話していたら、三池崇史の『不動』で意気投合。『フルメタル極道』までみているという。リュブリャナまできて死霊のしたたりやハーシェル・ゴードン・ルイスのはなしで盛り上がる。彼らの友達が自主制作でスロヴェニアン・ゾンビ映画を撮ったそうだ。ぜひ観たい。気づけば夜中の3時。さすがに帰宅し就寝。ベッドが一つしかないのでマッティンとひとつの毛布にくるまって眠る。腕が触れあうのを微妙に避けてしまうのが一興である。