早稲田松竹

一度はつぶれたもののやがて不死鳥の如く蘇り、そのまま低空飛行を続けている愛すべき映画館、早稲田松竹にて、エンディングテーマ的なものをつけさせてもらった友人の映画が上映されたが、バイトのため間に合わず。だが、映像系専門学校の卒業制作発表だったその上映会の終わりのほうをちょっとだけ観ることができた。何の気なしに入ってしまったものの、画面には演技ではなく明らかに息も絶え絶えなお婆さんが映し出されていて、家族が看病したりお見舞いしたりするさまを淡々と見せた後、そのお婆さんは亡くなってしまって、お葬式での棺の中もしっかり撮っていた。起こったことをただ撮影し、つなげただけの映像で、演出らしきものはなかったが、出来事に立ち会わされるというドキュメンタリーの本質のようなものをウッカリつきつけられてしまった。まさかこんなところで人の死に立ち会うとは思わなかったなぁ。もう一本、ギリシャの島で撮られた、現地のひとしか出てこず、言葉もギリシャ語のヤクザ友情もの。日本から単身乗り込んで作ったのならもっと他者としての視点というか、動揺があるものだとおもうのだが、そういう感じがせずほんとに現地の人がウッカリ撮った自主映画という様相。映画自体もおもしろかったが、それよりこの映画を作ったという経験自体がきっとすごく得難いものだったんじゃないかなぁ、というのが伝わってきて、なんかよかったです。で、帰って急に舞い込んだ仕事をやっていたら朝の8時になってしまった。