アメリカでは5

hibarimusic2007-04-27

朝、ペン駅へ。アメリカではじめて鉄道にのったが、あんまり起伏のない水辺の景色がすばらしく、かなり堪能した。バスのほうが格段に安いのだが、たまにはこういうのもいい。車内ではプロヴィデンスが主な舞台となっている「チャールズ・ウォードの奇妙な事件」を。地図と見比べながら読むと、けっこう具体的な住所がでてきたりしていて興味をそそられる。読み終わる頃ちょうど、プロヴィデンスに着いた。かなり小さい街のようで、観光資源的にはおそらくなんにもなさそうだが、ここをラブクラフトが歩いていたのかとおもうと胸が高鳴った。ちなみに今回、ラブクラフトリアンの先人たちによる
http://www.hplovecraft.com/creation/sites/rhode.asp#Providence

http://www.baharna.com/cmythos/NewEngland/Providence/providence.htm
を参考にして、住んでいた家や、作品にでてくる建物や通りなどを一通りみてまわった。それぞれのスポットも感慨深かったけれど、なにより、彼の人がここにいたのだという感覚が予想していたよりずっと強く、歩いているだけでこみ上げてくるものがあった。思っていたより遠くてやや難儀してしまったけれど、お墓にもいけた。かなり広いセメタリーなので、これはみつけるのがたいへんそうだとおもいオフィスにいったものの無人で、かわりにATMのような機械がある。故人の名前を入力するとお墓の場所を表示して、プリントアウトもできるという優れものである。ためしにLOVECRAFTと入力すると、一家がずらりとでてくる。地図をもとに、まった人気のない墓地を奥へすすんでいくと、簡素なオベリスクが目に入る。ラブクラフト一家のお墓だ。HPL本人の墓石だけに、コインが置かれていて、タバコが一本と、あとなぜか貝殻もあって、すぐにわかった。つくりだした世界観があまりに強大なので、現実に生きていた人という気があまりしていなかったのだが、こうしてみるとなにか親しみのような感情がわいてきた。しばらくたたずみ、いろいろと思っていることを報告する。亡くなってから70年がたっているのに、その作品の邪な生々しさは衰えるどころか、いまだにひとびとの想像力の源となって、その世界を広げ続けているわけで、自分もがんばろうという気になり、やはりプロヴィデンスにきてよかったなぁとおもった。それからまたゆかりの地をいろいろ見て回る。「チャールズ・ウォード」にも詠われていたように、プロヴィデンスは夕焼けがきれいだった。ずいぶん感傷に耽ってしまったが、あたりはすっかり暗くなり、人通りもすくなく、急にこわくなった。写真はジョン・ヘイ図書館にあるラブクラフト記念碑。


さて…一見ただの観光客のようにおもえるかもしれませんが、私はライブをしに来ています!


4/27 金
ボストン
Midway Studios (15 channel center st. in Fort Point)
8pm

Bhob Rainey + 宇波拓 デュオ


4/28 土
ニューヨーク
Issue Project Room
http://www.issueprojectroom.org/
8pm

Loren Connors ソロ
Sean Meehan + 宇波拓 デュオ


もしお近くの方がいらっしゃいましたらぜひご来場ください!